4.福祉サービスの手続きについて

 

重症心身障害児では医療度が高いために在宅医療=医療行為と思われがちですが、居宅介護、短期入所(レスパイト)など、いろいろな福祉制度を利用することで、よりサポートが充実します。医療と福祉制度は重なり合う部分も多少はありますが、基本的には縦割りの制度ですので、福祉としての申請、認定、許可、契約などの手続きをしないと利用することができません。また介護保険の対象にならず、ケアマネージャーが関与しないために制度の全体像の説明が分かりづらいことも利用者にとってはたいへん不便です。

障害児が利用できる福祉サービスは児童福祉法と障害者総合支援法に規定されており、その概要を表1,2に示します。障害福祉サービス等の利用の仕方は、以下の1〜9の流れに沿っていますが、認定までに時間がかかることもありますので、早めに相談してください。

 

1.相談・申請

市役所または相談支援事業者に相談します。

(補足)相談支援事業者とは、サービス利用について相談する市から指定を受けた事業所のことで、障害福祉サービスの申請前の相談や申請をするときの支援などを行います。

 

2.指定特定相談支援事業者と契約

計画相談支援について指定特定(児童)相談支援事業者と利用契約を行います。

 

3.調査(認定調査)

障害者または障害児の保護者などと面接して、心身の状況や生活環境などについての調査を行います。 (注)障害児については障害支援区分は認定されません。

 

4.審査・判定

調査の結果および医師の診断結果をもとに、認定審査会で審査・判定が行われ、どのくらいサービスが必要な状態か(障害支援区分)が認定された後、障害支援区分認定通知書を送付します。

(注)障害児については、重度障害者等包括支援・重度訪問介護を除き、審査会での審査・判定は行いません。

 

5.サービス等利用計画案の提出

指定特定(児童)相談支援事業者から交付されたサービス等利用計画案を市役所に提出します。

 

6.障害福祉サービス等の支給決定・通知

サービス等利用計画案をもとに支給決定を行い、受給者証等を交付します。

(注)認定結果に満足できないときには、県に申し立てをすることができます。

 

7.サービス等利用計画の作成

指定特定(児童)相談支援事業者は、支給決定を踏まえ、サービス提供事業者とサービス担当者会議を開催し、サービス等利用計画を作成後、申請者に交付し市役所に提出します。

 

8.サービスの利用開始

サービス提供事業者と利用契約をし、受給者証を提示してサービスを利用します。利用者は、原則として所得に応じて利用者負担を支払います。

 

9.モニタリング

指定特定(児童)相談支援事業者は、受給者証に記載されているモニタリング期間ごとに、サービスの利用状況を検証し、計画の見直しを行います。必要があれば利用者にサービスの利用申請を勧奨します。